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[旅の日記]

猫の駅長のいる貴志川線 

 本日は和歌山に来ています。
和歌山駅から、少し面白い電車に乗ってみます。

 面白い電車とは、和歌山電鐵のことです。
和歌山のローカル線ですが、会社存続のための様々な試みをしているのです。
ではその和歌山電鐵に乗り、終点の貴志駅まで行ってみることにします。

 JR和歌山駅で一旦改札を出て切符を買おうとするのですが、切符の販売機の前に掲げられている路線図にはJRの駅しか載っていません。
駅舎を出て和歌山電鐵の駅を探すのですが、それらしきものもありません。
駅員に聞くと、JR和歌山駅の9番ホームが和歌山電鐵のホームということです。
切符なしで改札を通してもらい、9番ホームを探します。
ホームの入り口には和歌山電鐵専用の切符の販売機があり、その横に改札があります。
今回は1日券を買うことにします。
というのも終点まで行って戻ってくるだけでも、1日券の方が安いのです。

 駅には「動物愛護電車」と呼ばれる車両が停まっています。
車体の先頭にはイヌとネコの絵が、そして車内の天井にもネコの絵が描かれています。
電車の形といい車内のエアコンといい見た覚えがあるなと思ったのですが、それもそのはず。
南海電鉄の車両が使われているのです。

 2005年の南海電鉄貴志川線の廃止を機に、岡山電気軌道が事業を引き継ぎ社名を和歌山電鐵としました。
1路線しかない和歌山電鐵なのに、貴志川線と呼ぶのもそのためです。
その時に南海電鉄の車両が無償譲渡されました。
車体は塗り替えられ、興味をそそる様々なペイントがされています。
水戸岡鋭治のデザインによるものです。

 大きく揺れる単線の電車に揺られ、「動物愛護電車」は30分ほどで終点の貴志駅に着きます。
ここにいるのはネコの駅長「ニタマ」です。
当日はご機嫌斜めだったのか、なかなか正面を向いてくれません。
ガラス張りの駅長室(ゲージ)の中をうろうろし、ついにシャッターチャンスに巡り合えることはありません。
脇には駅長の帽子が飾られています。

 駅の外に出ると、そこにはネコの顔のような駅舎が構えています。
誰もが電車でここまで来て「ニタマ」に挨拶すれば、また電車で引き返しているようです。
手には1日乗車券を持って。

 ホームに神社があるということなので、覗いてみます。
「ニタマ駅守社」、そして初代駅長の「たま神社」です。
初代たまは2007年に駅長に就任し、その後の2013年には社長代理に、そして2015年の死去では社葬が行われるほどに人気を集めてきました。
その間2012年にニタマが部下として入社し、2014年には駅長職をニタマに譲り自身はスーパー駅長として頑張ってきたのでした。。

 さて神社にもお参りを終え、帰ることにします。
再び揺らる電車に乗ります。
途中の伊太祈曽駅には「よんたま」の駅長がいますので、途中下車をします。
ところが訪れた時にいたのは、三毛猫の「ごたま」です。
きょとんとした眼で見つめている、可愛いネコです。

 そして伊太祈曽駅で、もう一つ見たいものがありました。
本日の車両ダイヤは、「動物愛護電車」「たま電車ミュージアム号」「チャギントン電車」が運行しており、それ以外の車両は待機しています。
ここ伊太祈曽駅には車両操作場があるので、ひょっとするとそれ以外の車両にも出会えるのでは。
そういう淡い期待があったのです。
案の定、操作場の前で「たま電車」が頭を出して整備中です。
その横には「うめ星電車」も揃っています。
乗ることはできなくとも、じっくり眺めることができたのでした。

 さて今度こそ和歌山駅に戻ることにします。
やって来たのは「たま電車ミュージアム号」です。
重厚で気品がある黒い車両です。
座席は家具調のソファで、天井には小さなたくさんの電球が灯りを放っています。
ベビーベッドも完備された、至れり尽くせりの車両です。
壁には絵画?が額縁に入れて飾られています(実際は描かれた柄ですが)。
描かれているのは桃太郎を演じたネコや、ネコの顔をした聖徳太子です。
茶目っ気いっぱいで乗っているだけで楽しくなる車両だったのです。

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